ハロー\(^o^)/
日本製鉄の転生という本を読んだので、レビューします。
タイトル: 日本製鉄の転生 巨艦はいかに甦ったか
著者: 上阪 欣史
おススメ度: ★★★★★★★★★☆(9/10)
価格: 1683円(kindle、keepa最安値)
製造業の抱える問題を知りたくて、読んでみました。
手に汗握る展開が続き、読んでいて胸に熱いものを感じました。
私が就職活動をしていた頃は、新日鉄住金になった時であり、
当時は業界のトップ層が合併して、さらに進化するのかと思っていたのですが、
近年まで業績悪化していたようです。
そんな日本製鉄ですが、
2021年には電磁鋼板を巡って、宝山製鉄だけでなく、トヨタまで提訴したのが記憶に新しいですよね。
顧客にそんなことして良いのか??
と長年疑問に思っていたのですが、
今回この本を読んで、橋本社長の戦略が理解出来ました。
読んでいる間、終始思ったことが、
需要と供給をしっかり読んで、
それに対して愚直な対応をするというのが大事なのだと再認識しました。
例えば、今後の需要が旺盛になると、
増設をして対応をしたくなります。
しかし、増設すると、設備投資の回収のため、フル生産したくなります。
そうなると、値下げしてでも受注せねばと考えてしまいます。
まして日本はデフレ社会が長く続きました。
販売価格ダウンが続いたのは必然だったのかなと思いました。残念です。
これに対して、不要な設備を廃棄して、
需要>供給を作り出して値上げした日本製鉄。
あっぱれです。
売るものも、
粗鋼のような汎用品では無く、
電磁鋼板やハイテンなど高負荷価値のものを作り、さらにユーザー視点で、進化させるマーケティング力。
工場での暗黙知を形式知へ落とし込むために、デジタル技術に投資したり、
社内起業家を認めたり、
オールドエコノミーには似つかない戦略ある会社です。
橋本社長は厳格な方なのかなと思っていたら、
最後の章でベンチマークとしているのが、
社員の給料upとあった所がいいなと羨ましく思いました。
日本製鉄株は、PER, PBRも安く見えましたが、
従業員を大切に思う気持ちが伝わってきて、
読後感は非常に良かったです。
なかなか大胆に今までの戦略を否定して、
身を切る覚悟で改革出来る人っていないと思うのですが、橋本社長は凄いです。
そして定年を迎えたらスパッと退任するという所にカッコよさを感じました。
USスチール買収の件がどうなるか分かりませんが、今後も日本製鉄をウォッチしたいと思います。
モノづくりに関わる方には是非お薦めしたい本でした!
ただ、、、
需要>供給を保って、顧客が欲しいと思うもの、高性能なものを適正な価格で売りましょう。
現場で得た知見は、しっかりと共有する一方で、
難しいことにはチャレンジしないと先がない、
固定費と変動費のバランスも常に頭に置きながら、
安定供給するためのリスクヘッジも打とうねという当たり前のことしか書いてない気もするんですけどね。。。
なんかスッと入ってきました。
私も頑張ります。
それではまた\(^o^)/