hozehoze’s blog

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データ改ざんについて思うこと

ハロー\(^o^)/

hozehozeです。

✳︎3年前の記事に追記しました。

 

『7つの会議(映画)』を観ました。

キャストが半沢ロケット(半沢直樹&下町ロケット)と揶揄されるのがよく分かりました笑

 

さて、最後、改ざん隠蔽について、告発者であるあなたの意見を聞かせてくださいと質問を受けた八角さんは、

『この世から不正は絶対に無くならない。日本人は侍の生きざまみたいなものがDNAに刻まれていて、辞めたら負け、逃げたら負けと考える(抜粋)』

と答えます。これが素材メーカーで働く私には響きました。

 

数年前からデータ改ざんについて、よくニュースに上がるようになってきました。学校時代の友人と話していて思うことは、非常に難しい問題だなぁということです。

 

勤めていて思うこと。

それは、データ改ざんとは、ユーザーとサプライヤーどちらにも原因があるのではないか?ということです。

 

3つの視点から考えてみます。

 

①規格

商品になるということは、必ずそれが商品として成り立っているか?を判別する規格が存在します。

さて、規格ですが、これが意外に奥深い。

 

例えば、A≧100, B≧80という規格があったとしましょう。

①A=120, B=110

②A=120, B=80

③A=100, B=79

 

このとき、

①は良品(過剰品質?)

②は合格品

③はBが規格割れなのでNGです。

 

③を流出したり、Bの値は1しか外れていないからいいか!80にしようか?いや、疑われると嫌だから81にしようか!と値を変えて出荷した場合、これがデータ改ざんです。

これは本当に良くない。NGがあったなら、再処理等手直しするか捨てるかすべきです。

 

と書いていて、実は危険なのが②。

規格は満足しています。しかし、AとBは相互に関連するパラメータの場合、A-Bの値が1番大きい②は危険なケースです。

 

規格は安全サイドに作られることが多いため、③は詳細確認し、これがワースト品であった場合、実は出荷しても、問題にならないかもしれない。しかし、②の原因を詳細調査することなく出荷すると、製品に組み込んだとき、異常を起こす可能性があります。

 

内部規格を、歯止めとして設定するのは大切です。しかし、実はユーザーがどのように使用するのか?そのためには、どのパラメータを押さえておいた方が良いのか?と考えるのが、技術者にとって最も大切だと思います。

 

個人的な思いとしては、コストも関わるので、

規格に入れば合格、外れたらNG。廃棄か再処理(手直し)をする。と考えるだけにしたいです。そのため、規格の適正化が最も重要です。

 

②測定誤差・機差

何かしら特性値を測る時には、機差なり、測定精度(繰り返し精度)による誤差が出てきます。1回測ったら、規格割れ。しかし、もう2回測ったら合格なので、2回目のデータを出荷データとするとか、10回測って1回でも入ればOKなど、この辺りは企業によって判断基準が違うみたいです。

 

③顧客要望

データ改ざん問題のニュースを聞いた時、案外顧客の要望も厳しかったのではないかな?と私は感じたものです。

よく言われるのが、関わる部署が増えると、どんどん安全サイドにいく問題。

 

500℃で50以上のパラメータとなるためには、室温で500以上必要とシミュレーションで出たとします。それが、設計部署から材料部署にいくと、500℃保証ではなく、510℃保証にしよう。

それなら、室温は510だ。

次に材料部署から調達部署にいき、520にしておこう。

それが、中間素材メーカーで、エンドユーザーに擦り合わせると、間に入った商社が530に。

結局500から530に規格があげられました。

しかし、試作では530を満たしていたサプライヤーメーカーも量産が始まって量産バラつきにかかり、530を僅かに下回るものがやがて出て行き、流出しても、問題なさそうだったので、520でもいいや。510も大丈夫だろう。500は・・・どうだろう??

とやっているうちに、データ改ざんして、530ないのに、530以上の値で出荷データにしていく。。。

そんな感じだったのかなぁと思いました。

 

確かに改ざんは許される事ではありません。

でも、規格に入っているから大丈夫。

とユーザーにどう使われるかではなく、数字で規格と照らし合わせて判断する人も多いくらいですから、例えば、たまたま、その日に早く帰りたいからという理由で、だんだんと数字を粗雑に相手にしていった末路がデータ改ざんだったのではないか?と思います。

 

一方で、データ改ざんにならないように、予め規格幅を広げておこう、下限規格を下げておこうと顧客に提案すると、その会社は実力がないとみなされるのが常です。

 

ユーザーがどのように使うか、そのためにはどの工程値に余裕を見るか?

お客様がデータに余裕をかなり持つのであれば、サプライヤーは規格値を満足している限りは出せば良いと思います。

逆に、お客様が規格をかなり厳密なものにしている場合は、サプライヤー側が内部的に規格を厳しくした方が良さそうです。

そのステップを飛ばし、出来ない規格を受け入れれば、最終的に、満足しなくても使えそうだしいいや。値を変えちゃえ!とか過剰スペックにしすぎると、コストアップしすぎて、作れば作るほど赤字で同業他社との競争に負けることもありそうです。

 

データ改ざん。

政府の統計調査の話も出てましたが、思っているより奥が深いと思います。

本質は何か?

そのデータを誰のため、何のために調査するのか?という当たり前のことを考えていくことが今一度大事ではないかと思います。

 

話が長くなってしまいましたが、本音で顧客と話し、必要なスペックを安心して作ることが出来る素材メーカーでありたいなといつも思います。

 

残念ながら出来ないことはできないのです。それは自分(達)の実力不足。

 

以前、他社は出来るのに、弊社は出来ないので失注したと営業に叱責されたことがありますが、結局、顧客から最終的にその製品は量産化に結びつかなかったという話を聞きました。

 

その顧客より、御社(弊社)は最初から問題提起して、対応出来ないと言ってましたが、どこも最後はその結論でした。結局御社が最も誠実な対応でしたねとの事(弊社はやる気がないと当時は思っていたらしいです笑)。これも他社の詳細調べると怪しそうですね。

 

受注・拡販を目指したい営業の気持ちを汲んで、可能な限り、より良いものを作りたいですが、どの会社でも作り手はこの辺りをいつも悩んでいるのではないかな?と思ってます。

 

今日はこの辺で。

ではまた*\(^o^)/*